仕事柄、本屋さんの英語参考書コーナーによく行きます。

だいたいTOEICの新刊テキストをチェックしに行くのですが、寄り道して他分野の参考書も見ることがあります。

もうだいぶ前になりますが、たまたま1冊の大学受験用テキストを手に取り、パラパラと見ていたところ、それが非常に気に入ってしまい、買って帰ったことがありました。

そのテキストがこちらです。

整序英作文とは、つまり英語の並び替え問題のことです。

それが500問も入っていることにも驚きですが、何よりも凄いと思ったのが解説でした。

情報がまとまっていて、読んでいるだけでも楽しいです。

それからもう1つびっくりしたのが、コミュニケーションを意識した解説が多いということ。

ライティングやスピーキングといったアウトプット分野でも使える情報が豊富に含まれているのです。

これは時代のトレンドなのでしょう。僕が大学受験生だったころは、リーディング1本に近かったので、とにかく単語と文法をどっさり覚え、あとはひたすら読みまくるという勉強スタイルでした。

いつの頃からか、コミュニケーションを重視した英語教育が幅を利かせるようになると、大学受験もリーディング一辺倒では立ち行かなくなり、リスニングの割合が徐々に大きくなりました。

その甲斐あってなのか、スクールに通ってくれる大学生や高校生は、リスニングの基礎がしっかりしています。これは小さい頃から英語を聞いてきた背景があるからなのだと思います。

逆に30代後半以上の方になると、リスニング力を伸ばすのに苦労する場合が多いです。

いろいろな年代の方を見ていると、教育の影響というのが確実に存在するのだと痛感します。

話は変わりますが、現在の中学生の教科書は、凄まじいくらい難化しています。

これは勉強する学生も大変ですし、教える先生たちも大変です。

「これでは生徒たちが可哀そう。英語嫌いを増やすことになる」という批判も多く出ている状態で、一見すると否定的な意見のほうが多いという印象です。

しかしながら、激ムズ教科書で英語をやってきた世代が、大人になって果たしてどんな英語力を身につけているのか、それは誰にも分かりません。

思い返せば、リスニングが試験科目に導入されたばかりの頃にも、否定的な意見はいろいろとありましたが、当時を受験生として過ごしていた自分は、「リスニングがあるのなら対策しなきゃ」くらいにしか思っていませんでした。

案外、騒いでいるのは外野だけで、学生たちは柔軟に対応できていくのではないかと思ったりもするのです。

話を戻しますと、大学受験でアウトプットの勉強ができるのであれば、それに越したことはありません。若いうちの勉強は、年を重ねてからの勉強よりもはるかに吸収が良いです。

アウトプット偏重の時代を生き抜いた学生たちが大人になって僕のスクールに来てくれたときに、どんな英語力を見せてくれるのか楽しみでなりません。

先に紹介した大学受験のテキストは、ある程度英語が使えるようになった僕が読んでも新しい発見がたくさんあるので、若い子たちにも強くオススメしたいです。