TOEIC500点への英文法

ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回は「3人称・単数・現在形」についてです。

通称「3単現」と呼ばれるもので、英語の最重要事項とも言えます。

TOEICでも問題として出題されることがありますので、TOEIC500点や600点を目指すのであれば、絶対に正解したいところです。

最初に重要ポイントの解説があり、そのあとにPart5形式の練習問題が続いています。
問題を解いて理解度をチェックしてみてください。

もちろん最初に問題を解いて、「3単現」を理解しているかどうかを確認しても大丈夫です。お気軽にご利用ください。

それではスタートしていきます。

1. 3人称とは

1人称、2人称、3人称という区別をご存じでしょうか。

国語の授業で習うことかもしれません。
英語で「3単現」を教わるときには、さも3人称という言葉が常識であるかのように授業が進むことが多いので、「3人称って?」という疑問が残ってしまう人がいます。

大事なことですので確認しましょう。

人称 とは

1人称-「私」を指す言葉。英語なら、I、Weです。

2人称-「あなた」を指す言葉。英語ならYouです。

3人称-「私」と「あなた」以外すべてを指す言葉。英語なら、I、We、You以外すべてです。

今回のテーマ「3単現」で大事になるのは、「3人称」だけです。

「3人称」とは、I、We、You以外すべてなので、簡単に思いつくかもしれません。

例えば、He、She、Itあたりが定番ですね。

他にも、John、Takashiといった名前もそうですし、appleのような果物、dogのような動物、waterのような物質、すべて「3人称」になります。

2. 単数とは

英語の名詞には、2つの形があります。

「単数形」と「複数形」です。

英語では、名詞が1つを表すか2つ以上を表すかで、形を変えるルールがあります。

単数形と複数形

【単数形】
he(彼)
she(彼女)
it(それ)
boy(少年)
cat(ネコ)
park(公園)
station(駅)

【複数形】
they(彼ら・彼女ら・それら)
boys(少年たち)
cats(ネコたち)
parks(公園たち)
station(駅たち)

今回のテーマ「3単現」で大事になるのは、「単数形」だけです。

TOEICのリーディングでは、”s”がついているかどうかで判断するのがもっとも簡単です。
スピーキングで使うときは、theyが引っ掛かりやすいので気を付けてください。

3. 現在形とは

英語には「現在・過去・未来」の3つの時制があります。

3つの時制

【現在時制】
have a computer with Windows 10.
(私はウィンドウズ10の入ったパソコンを持っています)

study at a nearby cafe.
(私は近くのカフェで勉強します)

【過去時制】
had a computer with Windows 10.
(私はウィンドウズ10の入ったパソコンを持っていました)

studied at a nearby cafe.
(私は近くのカフェで勉強しました)

【未来】
will buy a computer with Windows 10.
(私はウィンドウズ10の入ったパソコンを買うつもりです)

will study at a nearby cafe.
(私は近くのカフェで勉強するつもりです)

今回のテーマ「3単現」で大事になるのは、「現在形」だけです。

現在形は、現状について話したり、今の習慣について話したりするときに使われます。

4. 3単現とは

ここまでで「3単現」を理解するのに必要な前提が揃いました。

「3単現」という文法は、その名の通り「3人称・単数・現在形」の3つの条件が合わさることで成立します。そして「3単現」のときは、動詞が”s”のついた形に変わります。

「3単現」の条件
  • 主語が3人称・単数であること
  • 動詞が現在形であること

この条件が揃ったとき、動詞が”s”のついた形になります。

例文を見てみましょう。

例文

She likes Kirin beer.(彼女はキリンのビールが好きです)

Sheが「3人称・単数」であり、likeが「現在形」であるため、likesという形に変わるのです。これを「3人称・単数・現在形」と言います。

ここで確認クイズです。
以下の英文は、「〇人称・〇数・〇〇形」になるかわかりますか?

クイズ

1.They like Sapporo beer.(彼ら・彼女らはサッポロのビールが好きです)
【〇人称・〇数・〇〇形】

2.I will watch Tamori Club.(私はタモリ倶楽部を見るつもりです)
【〇人称・〇数・〇〇形】

3.You dropped this ticket.(あなた、このチケットを落としましたよ)
【〇人称・〇数・〇〇形】

このクイズに正解できれば、人称や時制についてはバッチリです。
それでは答えをチェックしていきましょう。

クイズの答え

1.They like Sapporo beer.(彼ら・彼女らはサッポロのビールが好きです)
【3人称・複数・現在形】

2.I will watch Tamori Club.(私はタモリ倶楽部を見るつもりです)
【1人称・単数・未来時制】

3.You dropped this ticket.(あなた、このチケットを落としましたよ)
【2人称・単数・過去形】

クイズはどうでしたか。

続いては、動詞に”s”をつけるときのパターンについてです。
いくつかパターンがありますので、種類ごとに見ていきましょう。

5. sのつけ方

5-1.yで終わる動詞

母音(a, i, u, e, o)+y の動詞子音+yの動詞
play → playsstudy → studies
enjoy → enjoystry → tries
stay → stayscarry → carries
sをつけるだけでOK
yを i に変えて、esをつける

5-2. esがつくシリーズ

-sで終わる動詞pass → passes、discuss → discusses
-shで終わる動詞finish → finishes、wash → washes
-chで終わる動詞teach → teaches、reach → reaches
-xで終わる動詞fix → fixes、relax → relaxes
-oで終わる動詞do → does、go → goes

esをつけないと発音しにくい単語が多いですね。

doやgoは、esがついても「イズ」という発音にならないので注意ですね。

5-3. have

have → has

haveだけは特別感がありますね。

5-4. それ以外

上記に入らない動詞は、すべてsをつけるだけでOKです。

drive → driveswork → works
know → knowshear → hears
bring →bringslook → looks

6. 否定文、疑問文の作り方

最後に否定文と疑問文の作り方をチェックしましょう。

どちらもdoesを使うのがポイントです。

3単現の否定文

平叙文:He reads English books.
(彼は英語の本を読みます)

否定文:He does not read English books.
(彼は英語の本を読みません)

※ does notは、doesn’tに短縮できます。

doesを使ったあとは、動詞は「原形」にします。

「s, esをつけられるのは1箇所だけ」と覚えておきましょう。

続いて疑問文です。

3単現の疑問文

平叙文:Ms. Sato has a business trip to Chicago.
(Sato氏は、シカゴへの出張があります)

否定文:Does Ms. Sato have a business trip to Chicago?
(Sato氏は、シカゴへの出張がありますか)

※ Doesを使ったら、うしろの動詞は原形に戻しましょう。

これで否定文と疑問文が作れます。
ここまで押さえることができれば、TOEIC500点を取るには十分です。

それでは練習問題を解いてみましょう。

7. TOEIC Part5形式 練習問題

問題(全5問)

No.1

As a Human Resources manager, Mr. Thompson —— that it is important to have a conversation with each employee regularly.
(A) believe
(B) believes
(C) have believed
(D) to believe

No.2

Walter Accounting —— to open another office in Denver within the next six months.
(A) expecting
(B) had expected
(C) expect
(D) expects

No.3

Both Mr. Hart and Ms. Nixon —— to attend the upcoming business conference even though they don’t have to.
(A) plan
(B) plans
(C) planning
(D) to plan

No.4

Gregory Avila —— for Pigeon Industries since he graduated from the University of Toronto.
(A) worked
(B) have worked
(C) has worked
(D) working

No.5

The judges for this year’s cooking competition —— several local restaurant owners.
(A) include
(B) includes
(C) including
(D) included

解答と解説

No.1

As a Human Resources manager, Mr. Thompson —— that it is important to have a conversation with each employee regularly.
(A) believe
(B) believes
(C) have believed
(D) to believe

解答:(B)
動詞の正しい形を選ぶ問題です。
主語がMr. Thompsonという「3人称・単数」になっているので、それに対応できる(B)が正解となります。
(A)や(C)は「3人称・単数」に対応していません。
(D)はそもそも動詞ではないので、ここでは入りません。

(訳)人事部長として、Thompson氏は、定期的にそれぞれの社員と会話をすることが重要であると考えています。

語句:conversation:会話 / regularly:定期的に

No.2

Walter Accounting —— to open another office in Denver within the next six months.
(A) expecting
(B) had expected
(C) expect
(D) expects

解答:(D)
空所には動詞が入りますので、(A)は除外できます。
~ing形は、単独では動詞になれません。
そして主語であるWalter Accountingという会社なのですが、これは3人称・単数のカテゴリーに入ります。
3人称・単数に対応した動詞は(D)しかないので、これが正解です。
会社名は3人称・単数になるので、ご自分でメールを書くときなどに意識してみてください。

(訳)WalterAccountingは、この先6ヵ月以内に、Denverにもう1つのオフィスを開くことを予定しています。

語句:expect to do:~することを予定する / within:~以内に

No.3

Both Mr. Hart and Ms. Nixon —— to attend the upcoming business conference even though they don’t have to.
(A) plan
(B) plans
(C) planning
(D) to plan

解答:(A)
主語がMr. Hart and Ms. Nixonなので、3人称・複数です。
したがって、動詞として使えるのは(A)だけになり、これが正解です。
(B)は3人称・単数のときに使えます。
(C)や(D)は動詞ではないので、ここでは入りません。

(訳)その必要がないにもかからわず、Hart氏とNixon氏は、今度のビジネスカンファレンスに出席するつもりです。

語句:plan to do:~するつもりである / upcoming:今度の / even though:~であるにもかかわらず

No.4

Gregory Avila —— for Pigeon Industries since he graduated from the University of Toronto.
(A) worked
(B) have worked
(C) has worked
(D) working

解答:(C)
文後半にsince+過去形の文があるので、空所には現在完了形が必要だと判断できます。
現在完了形になるのは(B)と(C)ですが、主語がGregory Avilaという人物名のため3人称・単数となり、(C)が正解だと分かります。

(訳)Gregory Avilaは、Toronto大学を卒業してから、ずっとPigeon Industriesで勤務しています。

語句:work for~:~に勤める / graduate from~:~を卒業する

※ 現在完了形については、こちらを参照ください。

No.5

The judges for this year’s cooking competition —— several local restaurant owners.
(A) include
(B) includes
(C) including
(D) included

解答:(A)
正しい動詞の形を選ぶ問題なので、主語を見つけることが重要です。
この文の主語は、The judgesなので、3人称・複数形です。
したがって、それに対応するのは(A)となるため、これが正解です。
空所前の名詞competitionに惑わされないように注意してください。
for this year’s cooking competitionがカタマリなので、competitionは主語ではありません。

(訳)今年の料理コンテストの審査員団には、何名かの地元のレストラン経営者が入っています。

語句:judge:審査員 / competition:コンテスト / local:地元の / include:~を含む

8. おわりに

練習問題はいかがでしたか。

5問目が難しかったので、これが自信と根拠をもって解けていれば3単現はバッチリです。

TOEICだと、3単現は動詞問題として出題されるため、かならず主語を見てから選ぶようにしてください。主語と動詞の把握は、英語の基本です。

さて、今回のテーマだった「3人称・単数・現在形」ですが、TOEIC500点を目指す上では欠かせない文法事項です。

3単現の問題は、自分でも解説ができる状態にまでしておくのが良いです。
自分で理屈を説明することができれば、スピーキングやライティングの場面で正しく使うことができます。

「英語は使うもの」ですから、実用レベルまで定着させていきましょう。

その過程で、TOEIC500点や600点を達成していってください。

それではご覧いただき、ありがとうございました。

みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。