TOEIC500点への英文法

ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回は現在完了形についての英文法講座です。

TOEICでは必ず出てくる文法なので、避けては通れない重要事項です。
とくにPart2, Part5, Part6での出題率は高めで、TOEIC500点を目指すのであれば、絶対に正解しておきたいところです。

まずは現在完了形の基本から確認していきましょう。
最後には練習問題がありますので、そこで理解度をチェックしてみてください。

もちろん最初に練習問題を解いて、現在完了形の理解が十分かどうかをチェックしてみても大丈夫です。使いやすいようにご利用ください。

それではスタートしていきます。

1. 現在完了形のカタチ

現在完了形の公式

have + 過去分詞 / has + 過去分詞

(主語が「3人称・単数」のときに、”has+過去分詞”が使われます)

まずは、I live in Japan. を現在完了形で書きかえてみましょう。

現在完了形の文

have lived in Japan.

これが正解ですね。
過去分詞がわかれば、あとはhaveかhasかを決めるだけなので、単純な仕組みです。

過去分詞は、原則として過去形が-ed形であれば、過去分詞も-ed形になります。
過去形が不規則変化のものは、過去分詞も不規則変化しますので、これは覚えるしかありません。

現在完了形のカタチを覚えたら、いよいよ本題に入ります。

現在完了形の最重要ポイントは、「3用法」をそれぞれ理解することです。

現在完了形の3用法
  • 継続用法(ずっと~している)
  • 経験用法(~したことがある)
  • 完了用法(すでに~した)

TOEICでは、3用法どれも出ます。
各用法にはキーワードがありますので、まずはそこから用法を区別できるようにしていくと良いです。

2. 継続用法

2-1. TOEICでの絶対必要ポイント

継続用法は「〇〇年間ずっと~している」「…からずっと~している」といった訳し方になり、継続的に何かをずっとし続けていることを表現するときに使われます(もちろん眠ったり休憩したりするので、それも込みで継続しているという意味です)。

そのため、「どのくらいの期間」継続しているのかが重要になります。

主に使われるのは「~の間」を表す”for”と、「~から」を表す”since”の2つです。
この2つは中学英語で学習しますが、TOEICにもしっかり出てきます。

継続用法の例文

have lived in Japan for 20 years.
(私は20年間ずっと日本に住んでいます)

have lived in Japan since 2000.
(私は2000年からずっと日本に住んでいます)

have lived in Japan since I was 10 years old.
(私は10歳だったときからずっと日本に住んでいます)

疑問文もチェックしていきます。
TOEICでは、「どのくらい~していますか」という「期間を訊ねる」疑問文が頻出ですので、自分で使えるレベルまで定着させておきたいところです。

継続用法の疑問文

How long have you lived in Japan?
(あなたは、どのくらい日本に住んでいますか?)

Part2の質問文でよく出てきます。
「For 20 years.」とか、「Since this morning.」と答えていたら、それが正解になります。

2-2. TOEICによく出る、over the past (last) ~

「期間」について言うとき、forとsinceが1番の基本になります。
しかしTOEICでは、for~と同じ意味で、over the past (last) ~という表現が使われることもあります。

期間の表現

have lived in Japan for 20 years.
= I have lived in Japan over the last 20 years.
= I have lived in Japan over the past 20 years.
= I have lived in Japan for the last 20 years.
= I have lived in Japan for the past 20 years.

※ over を for に変えても同じ意味になります。

for / since はもちろん基本知識ですが、上記の表現も覚えておけると安心です。

2-3. 現在完了進行形

「継続用法」では、現在完了進行形というカタチが使われることもあります。
文字通り、現在完了の進行形ですね。

現在完了進行形の公式

have been ~ing / has been ~ing

※ 「継続用法」のみで使われる形です

TOEICでは、普通の現在完了形と同じ意味で使われます。
進行形になっていても、「ずっと~している」という意味であることには変わりないので、まったく難しくありません。

例文でチェックしていきましょう。

現在完了進行形の例文

have been living in Japan for 20 year.
(私は20年間ずっと日本に住んでいます)

have been living in Japan since 2000.
(私は2000年からずっと日本に住んでいます)

このように「期間を表す語句」がセットで使われる点も同じです。
TOEICにはよく出てくるので、しっかり覚えておきましょう。

3. 経験用法

経験用法は、「~したことがある」、「~したことが1度もない」という意味を表します。

この経験用法でポイントとなるキーワードは、「回数」です。
「何回~したことがあるのか」を表すことで、「経験用法」であると認識できます。

例文でチェックしていきましょう。

経験用法の例文

have eaten here once.
(私はここで食事をしたことが1回あります)

【回数の表し方】

have eaten here twice.
(私はここで食事をしたことが2回あります)

have eaten here three times.
(私はここで食事をしたことが3回あります)
※3回目以降は、~timesを使います。

have eaten here before.
(私は以前ここで食事をしたことがあります)
※回数ではなく、「以前に」を使うことも頻繁にあります。

現在完了形なので、「have+過去分詞」のところは同じです。
最後にonce(1度)のような、「回数」を表す語句をつけることで表現を広げます。

TOEICでは、before がかなり頻繁に出てきます。

続いて否定文と疑問文をチェックしていきましょう。

経験用法の否定文・疑問文

【否定文】
I have never eaten here.

「1度も~したことない」という強めの否定になりますので、neverを使います。

【疑問文】

Have you ever eaten here?

「今までに~したことがありますか?」と尋ねるので、ever(今までに)を使います。

また、次の例文のように、TOEICでは everを使わずに疑問文を作るときもあります(特にPart2)。

Have you eaten here before?
Have you met tonight’s guest speaker?

TOEICのPart2では、everが使われないことのほうが多い印象です。

回数を訊ねるときは、How many times~?を使います。

How many times have you eaten here?
(何回ここで食事をしたことがありますか?)

これはTOEICだとほとんど目にしませんが、基本事項なので紹介してみました。

「継続用法」と比較すると、TOEICに出てくる頻度は下がります。
しかし、自分のことを表現したいときにはバンバン使う用法ですので、TOEICに出ることが少ないとしても、自分のものにしておきたいところです。

4. 完了用法

完了用法は、「すでに~した」、「まだ~していない」のように「終わったか終わっていないか」を表現するための用法です。

「完了の度合い」を表す「すでに・ちょうど・まだ」のような単語がキーワードになりますので、それを中心にカバーしていきましょう。

完了用法で使う重要語
  • already(すでに~した)
  • just(ちょうど~した)
  • yet(まだ~していない)(もう~した?)

※ yetだけ、疑問文と否定文の2つで使用されるので注意です。

それぞれ例文でチェックしていきましょう。

完了用法の例文

1.I have already returned the computer.
(私はすでにそのパソコンを返却しました)

2.I have just finished the report.
(私はちょうどレポートを終えました)

3.I haven’t heard from anyone yet.
(私はまだ誰からも連絡をもらっていません)

4.Have you checked the e-mail yet?
(そのメールをもうチェックしましたか?)

already と just は、haveと過去分詞のあいだに入れます。
yetは文末に置きますので、それぞれの位置まで覚えて、使えるようにしておきましょう。

「完了用法」は、「継続用法」と同じくらい出てくる印象です。
Part2では「完了用法」のほうが頻繁に目にするくらいですから、どちらかというとリスニングで重要性のある用法になります。

現在完了形はキーワードによって用法が区別されますので、まずはキーワードが大事です。
時には文脈で判断する必要もありますが、キーワードでの区別がしっかりできていれば、感覚で用法を使い分けられますので、「自分で使えること」を目標にしていきましょう。

それでは最後にPart5形式の練習問題となりますので、ここで理解度をチェックしてみてください。

5. TOEIC Part5形式 練習問題

全部で5問あります。
TOEIC500点を目指すなら、1分以内ですべて解答できるのが目標です。
ぜひ挑戦してみてください。

問題(全5問)

No.1

Since its current president founded the company 8 years ago, O.C. Technology —— a wide range of electronic devices and home appliances.
(A) develop
(B) developed
(C) has developed
(D) had developed

No.2

For the last fifteen years Belton Dance Troup —— the same ticket price for their sophisticated performance.
(A) charge
(B) charged
(C) has charged
(D) had charged

No.3

Mr. Hashimoto has attended the annual workshop for small business owners ——.
(A) third
(B) twice
(C) many
(D) one

No.4

Ms. Ito has —— been appointed as the new regional manager to take care of the Kanto area.
(A) ever
(B) after
(C) quite
(D) just

No.5

Hasin Fariz —— classical music since he moved to Vienna with his family.
(A) has been learning
(B) have learned
(C) learning
(D) have been learning

解答と解説

No.1

Since its current president founded the company 8 years ago, O.C. Technology —— a wide range of electronic devices and home appliances.
(A) develop
(B) developed
(C) has developed
(D) had developed

解答:(C)
「Since+過去形」で始まっているため、この文には現在完了形が必要だと判断できますので、正解は(C)です。(D)は過去完了形なので、惑わされないようにしましょう。
現在完了形が答えになるときは、この問題のようにキーワードで判定できてしまいますので、スピーディに解いて、時間を節約できると良いです。

(訳)現在の社長が8年前に会社を設立してから、O.C. Technologyは、幅広い種類の電子機器と家電製品を開発してきました。

語句:current:現在の / found:~を設立する / a wide range of~:幅広い~ / electronic:電子の / device:機器・デバイス / appliance:電化製品 / develop:~を開発する

No.2

For the last fifteen years Belton Dance Troup —— the same ticket price for their sophisticated performance.
(A) charge
(B) charged
(C) has charged
(D) had charged

解答:(C)
文頭に For the last fifteen years という「期間を表す語句」があるので、現在完了形の継続用法の文であると判断できます。
したがって答えは(C)です。
キーワードで即答できると、後半に時間が残せます。

(訳)これまでの15年間、Belton Dance Troupは、彼らの洗練された演劇に対して、ずっと同じチケット価格を維持してきました。
(正確にはchargeなので、「請求してきました」)

語句:sophisticated:洗練された / charge:~を請求する

No.3

Mr. Hashimoto has attended the annual workshop for small business owners ——.
(A) third
(B) twice
(C) many
(D) one

解答:(B)
現在完了の経験用法の文なので、最後には「回数を表す語句」が入ります。
正解は(B)twiceです。

(訳)Hashimoto氏は、中小企業の経営者のための年次ワークショップに2回参加したことがあります。

語句:attend:~に参加する / annual:年に1度の

No.4

Ms. Ito has —— been appointed as the new regional manager to take care of the Kanto area. 
(A) ever
(B) after
(C) quite
(D) just

解答:(D)
問題は現在完了形になっており、選択肢のうち現在完了形で使えるのは(A)と(D)なので、2択に絞れます。
(A)everは経験用法の疑問文で使用されるため、ここでは不適切です。
したがって、残った(D)が正解です。

(訳)Kanto地区を担当する新しい地域マネージャーとして、Ito氏がちょうど任命されたところです。

語句:appoint:~を任命する / regional:地域の / take care of ~:~を担当する

No.5

Hasin Fariz —— classical music since he moved to Vienna with his family.
(A) has been learning
(B) have learned
(C) learning
(D) have been learning

解答:(A)
文の後半に「since+過去形の文」があるので、空所では現在完了形が使われると判断できます。主語がHasin Farizという人(3人称・単数)であることから、(A)が正解になります。(B)や(D)は、”have”なので不適切です。

(訳)ウィーンに家族と移住してから、Hasin Farizはクラシック音楽をずっと学び続けています。

語句:classical music:クラシック音楽 / move:引っ越す

6. おわりに

練習問題はどうでしたか。

TOEICに出てくる現在完了は、用法によって出題されるパートが分かれます。

「継続用法」はPart5,6で問題になることが多いです。
「経験用法」、「完了用法」はPart2で問題になることが多いです。

たとえ問題にならなくとも、TOEIC全体を通して頻繁に使われる文法ですので、TOEIC500点のためには絶対に理解しておきたい文法となります。

「現在完了形」は、その名のとおり、「現時点で」完成・完了していることを意味します。
ここが過去形との最大の違いであり、過去形は「現時点」とは関係がありません。
「現時点」を前提にしながら過去のことを混ぜ込むのが「現在完了」ですので、時間感覚を意識しながら英語を読むようにすると、センスが磨かれると思います。

Part6のように文脈から時間の流れを判断しなければいけない問題でこのセンスが役に立ちますから、頭だけでなく、体でも理解していきましょう。

みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。

それではご覧いただき、ありがとうございました。