TOEIC700点への英文法

ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回は、「不可算名詞に不定冠詞a, anがつくケース」についてです。

She talked to me with an unusual friendliness. なんて英文を見ると、「friendlinessは数えられない名詞なのに、どうして”an”がつくんだろう? a lot ofとかなら分かるけれども、これはどういうことなんだ?」と疑問に思ったことを覚えています。

たしか高校生のときでした。

英文を読んでいるとちょくちょく出会うので、「あれ?」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

文法書には載っていなかったりもするので、気になったまま放置……なんて状態になっていませんか?

分かってしまえば簡単なことですので、ここでスッキリ整理しておきましょう。

不可算名詞の種類

まず大事なのは、不可算名詞には2種類あるということです。

2種類の不可算名詞

1.具象名詞=見たり触ったりできるもの
例:water, sugar, bread

2.抽象名詞=概念的で、触ったりできないもの
例:happiness, strength, information

このうち、不定冠詞がつく可能性のあるものは、2.抽象名詞です。

それでは詳しく見ていきましょう。

不可算の抽象名詞にa, anがつくケース

不可算名詞に、不定冠詞a, anがつくと、「特別感」が追加されます。

つまり、一時的であったり、通常とは違っていたり、というような特別感を表現する場合において、不定冠詞a, anがつくのです。

例文を見ていきましょう。

例文

1. She told us the story with an unusual seriousness.
(彼女は、異様な深刻さとともにその話を私たちにした)

2. A deadly lassitude took hold of him.
(ひどい疲労感が、彼を襲った)

3. A knowledge of physics is necessary for this job.
(物理学に関する知識が少しこの仕事には必要です)

1番や2番の英文は、小説やジャーナリズムの文体でよく目にする方だと思います。
seriousnessやlassitudeは数えることができませんが、ここでは「その場だけの特別感」を持たせるために、不定冠詞が使われています。この場合での“a”は、「such, certain, special, particular」の意味を持ちます。

3番の英文では、不定冠詞”a”が、”some”の意味で使われています。
「多少の」という意味が、この不定冠詞には入っています。

こうした不定冠詞つきの不可算名詞は、フォーマルな英文や文学作品で、主に使われるようです。

また、不定冠詞を使わなくても正しい英文であることも大事です。
不可算名詞を使用する際には、自信がなければ不定冠詞は使わないほうが良さそうです。

まとめ

今回の重要ポイントのまとめです。

ポイントのまとめ

1.不可算名詞の抽象名詞に限り、不定冠詞が用いられることがある。

2.この用法は、フォーマルな文章、または文学的なシーンで見られる。

3.不可算名詞に「特別感」を持たせるときに、不定冠詞が使われる。

4.不定冠詞を使わなくても正しい英文なので、無理に使わなくても大丈夫。

大学受験レベルの英文を読んでいれば、きっと出会うであろう不定冠詞+不可算名詞ですが、背景がわかってしまえば、大したことではありませんね。

それにしても、不可算名詞なのに”a”や”an”がついていることを疑問に思えるのは、「文法力」の高さの証です。

正しく英語を理解しようという気持ちが強いということですね。

以上、「不可算名詞に不定冠詞a, anがつくケース」でした。