パート3,4はTOEICの要
ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回はパート3,4の勉強法についてです。
TOEICのリスニングにおいて、パート3,4は約70%を占めています。
そのため、スコアを伸ばすためには絶対に対策しなければなりません。
幸い、どちらも似たような問題構成になっているため、同じ勉強法で対策が可能です。
この記事では、パート3,4の特徴などに触れながら、具体的にどう勉強していくべきかをまとめていきますので、学習の参考にしていただければと思います。
それでは、まずはパート3,4の概要について見ていきましょう。
パート3はダイアローグ(対話)形式
TOEICのパート3は、30~40秒ほどのダイアローグ(対話)を1つ聞き、それに関する小問を3つ解きます。
ダイアローグは全部で13個あるため、パート3の小問数は合計39問になります。
ダイアローグのうち2~3個は、グラフィック(図)を交えたものになっており、情報量がさらに増えます。
また、小問は3つとも問題用紙に載っていますので、ダイアローグが始まるまえに問題内容を把握しておくことが可能です。
このダイアローグが始まるまえに問題を見ておくことを「先読み」と言います。
「先読み」にはリーディング力が必須となるため、総合力が試されるパートです。
目標スコアごとに必要となる正解数のラインは以下のとおりです。
・500点-23問正解以上
・600点-26問正解以上
・700点-30問正解以上
これはあくまで最低ラインと考えたほうが良いです。
パート3には解きやすい問題と難しい問題が混ざっていますので、「わからない」と思ったら捨てる潔さがあったほうがいいです。
1つで迷ってしまうと、それ以降の問題にも響いてしまいますので、それだけは避けたいところです。
パート4はモノローグ(1人が話す)形式
パート4では、30~40秒ほどのモノローグ(1人が話す)を1つ聞き、それに関する小問を3つ解きます。
モノローグは全部で10個あるため、パート4の小問数は合計30問になります。
モノローグのうち、2~3個はグラフィック(図)を交えたものになっています。
グラフィック問題は、パート3,4合わせて5問と決まっています。
ナレーターの人数以外は、パート4と変わりません。こちらでも「先読み」が可能ですから、出来る限りやっておきたいところです。
モノローグのシチュエーションには、ある程度の決まったパターンがありますので、テスト本番までに慣れておいて、状況がすぐに把握できるようにしておけると良いです。
目標スコアごとに必要となる正解数のラインは以下のとおりです。
500点-18問正解以上
600点-20問正解以上
700点-24問正解以上
最低でも、このラインは超えていきたいです。
下回るようであればリーディングのスコアで補わなくてはいけませんが、TOEICは一般的にリスニングスコアのほうが高くなるので、なるべくリスニングで余裕を作っておきたいです。
リスニングとリーディングが同じくらいという方は、まずはリスニングに力を入れて勉強していくと良いかもしれません。
パート3,4の勉強法
英語は、自分が発音できなければ聞き取ることができません。
そのため、声に出すという勉強法がもっとも効果的です。
まずは新しい『公式問題集』を用意して、問題を解いてみましょう。
自分の現在地を知るところから勉強がスタートします。
まずは音読から
TOEICのナレーターはけっこう速いです。
あのスピードを聞き取っていくためには、まずは自分がスラスラと音読できる状態にならないといけません。
でも、いきなりネイティブのようなスピードで読めるわけではありませんから、最初は自分のペースでスラスラ読めることを目指しましょう。
ゆっくりで大丈夫です。でもリズムを意識してください。
頭の中でダイアローグやモノローグが起きている場面を想像しながら音読しましょう。
想像する習慣がつけば、リスニング中にもイメージが浮かぶようになります。
英語が聞ける人というのは、音からイメージを立ち上げて理解しています。
スラスラ読めるようにすることと、イメージを浮かべる習慣をつけることが、音読の目標です。
オーバーラッピング
ここからの勉強法はオプションですので、自分に合っていると思うものを選んでください。
オーバーラッピングは、CDを流して聞きながら、同じペースでスクリプトを音読することです。
CDの音と、自分の声をぴったり被せる(オーバーラップさせる)ので、「オーバーラッピング」といいます。
スラスラと音読ができる状態で始めましょう。
オーバーラッピングの目標は、ネイティブのリズムを体得することと、スピード慣れです。
CD主体で進んでいくため、自分のペースで読みたいという人には向いていません。
自分のペースを大事にしたい方は、後ほど紹介する「ディクテーション」、「シャドーイング」、「暗唱」などの勉強法を採用してください。
オーバーラッピングを始めたころは、CDのスピードについていくのがやっとだと思います。
ですが、日を重ねるごとに体が馴染んでいきますので、同じところを7~10日はずっと続けてください。
内容を覚えてしまうくらいが丁度いいです。
そのくらい繰り返して初めてスコアアップの土台ができてくると考えましょう。
YouTubeで「オーバーラッピング」と検索すると、実演してくださっている動画がたくさんありますので、そちらを見て参考にするのも良いです。
ディクテーション
これはパート1,2でオススメしている勉強法です。
もちろんパート3,4でも使えますが、文章が長いので、区切るのがすこし面倒かもしれません。
30~40秒のダイアローグ・モノローグを、3秒とか7秒とか好きな長さで区切れる機能がついたウォークマンがあると実践しやすいです。
上の記事で紹介しているウォークマンは語学学習に特化しているので、パート3,4のような長い英文でも短く区切って聞くことができます。
ディクテーションの利点は、何といっても自分の聞き取れる音が増やせることです。
音を文字化するわけですから、ちゃんと聞き取れているかを正確に測れます。
ディクテーションはスクリプトを見る前にやったほうが良いので、もし採用するのであれば、ディクテーション→音読という順番になるようにしてください。
ちなみに僕自身は、ディクテーションによってTOEICリスニングの基礎を作りました。
時間のかかる勉強法ですが、それだけに発見が多いのも事実です。
シャドーイング
シャドーイングは難易度が高めなので、すでに600点くらいをお持ちの方が対象となります。
最終的に800点を目指していきたいという方には、ほぼ必須の勉強法になると思います。
これから500点や600点を目指し、いずれはシャドーイングをやっていきたいという方は、パート1,2の英文で始めるのが良いです。
まずは音読がベースになりますので、そこで基礎をしっかりと作りましょう。
シャドーイングも、オーバーラッピングと同様に、1日や2日では完成しません。
7~10日くらいは同じ題材をくりかえしシャドーイングしていきます。
その中で、もし可能であれば自分の声を録音してみましょう。
そうすることで、読めているつもりだったのに実は言えていなかった箇所が見つかります。
3日目と10日目のシャドーイングを聞き比べてみると、上達ぶりにも気づけますよ。
もし上級者の方にチェックしてもらえる環境があれば、それを積極的に利用してください。
暗唱
もし英語を話したいという目標があるのなら、暗唱がオススメです。
僕自身も、英検1級の面接試験や、全国通訳案内士の口述試験のために、暗唱をしました。
おかげでどちらの試験にも合格することができましたので、効果は実証済みです。
TOEICのパート3,4を暗唱することで、会話力のベースが作れるのに加えて、リスニング中に話の展開が予想できるようにもなってきます。
TOEICの問題文にはパターンがありますので、慣れてしまえば「たぶんこの先はこうなって……」というふうに自然と気づけることが増えます。
これは言わば論理力です。
話の流れ、展開には、きちんとした筋が通っていますから、暗唱をするなかでその筋をたどっていく訓練を積めば、リスニング中であっても筋を見つけて先まで見通すことが可能になります。
論理力はリーディングでも使えますので、そちらでの効果も期待できます。
暗唱も、日々の積み重ねが必須です。
オーバーラッピング、シャドーイングと同様に、同じものを7~10日は繰り返したほうがいいです。
それから「丸暗記にならないよう」注意してください。
呪文のように暗唱しても意味はありません。
自分がその英語を喋っているのだという「当事者意識」を持って暗唱していきましょう。
先読みの練習も忘れずに
TOEICのパート3,4は、リスニング力だけあればいいものではありません。
聞いた後に、小問を読んで答えるため、リーディング力も重要です。
知らない単語があったり、訳せない英文があったりすると、せっかくリスニングの内容がわかったのに、正解が選べないという残念な結果になってしまいます。
ダイアローグ・モノローグを使った勉強に絞らず、小問や選択肢の英文も読んで、リーディング力も養っておきましょう。
パート3,4の小問文・選択肢に使われている単語数は、少なくて50語ほど、多くて90語ほどです。
TOEICのリーディングを全文読んで解答するのに必要なスピードが150wpm(1分間に150語読める)ですので、その基準でいくと、50語であれば20秒、90語であれば35秒ほど必要になります。
80~90語もあるのは、さすがに長いです。上級者でも苦労するでしょう。
長いなあ……と思うものは、読むところを絞っていくのも効果的です。
『公式問題集』を用意して、パッと小問文と選択肢を見てみましょう。
そして、「これは読めそうだ」と思うものと、「これは長いからイヤだな」と思うもののワード数をそれぞれカウントしてみてください。
80語くらいあっても「読めそうだ」と思えれば、読解スピードはけっこう速いと思いますし、読むことに対しても抵抗がないと言えるでしょう。
500~600点を目指すのであれば、60~70語くらいのものは抵抗なく読めるようになっておきたいですね。
なにはともあれ「慣れ」が大事です。
自己分析と自己フィードバック
独学でTOEIC対策をしていくときに大事なのが、「自己分析」と「自己フィードバック」です。
どの勉強法を採用するにしても、達成できているところと課題として残っているところを分析し、完成につながる道筋を見つけることが必要です。
自分を評価し、課題や助言を与えてくれる「もう一人の自分」がいれば、独学であっても正しいTOEIC対策ができます。
考えなくちゃいけないことは多いですが、それはそれで楽しい面もあります。
今回紹介した勉強法も、どれが合っているかは実際にやってみないと分かりませんので、自己分析とフィードバックをしながら、最適なものを見つけてください。
学習記録をつけるのも効果的です。
また、勉強面の管理をしてほしい場合は、スクールを頼るのも手です。
英語スクールはたくさんありますので、実際に足を運んだり講師と話したりして、ご自分に合ったスクールを探してください。
その際は、ぜひリノキア英語スクールもご検討くださいね。
それでは最後までご覧いただき、ありがとうございました。
みなさんがTOEICで目標スコアを達成されることを願っております。