【TOEIC YBMリーディング模試 レビュー】

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TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回は、『TOEIC L&Rテスト YBM超実践模試 リーディング1000問』のレビュー記事です。

このテキストには、リーディング・セクションの模試が10個も入っています。
TOEICは1つのリーディングテストが100問なので、合計1000問も収録されていることになります。
ここまでの問題数を誇る模試は、なかなかありません。

問題数もさることながら、もともとはTOEIC大国である韓国で生まれた模試であるため、質が非常に高いのも特徴です。
さすがにTOEICを研究し尽くしているだけあって、本テストの再現度がほぼ完璧であり、日本の公開テストでも似たような問題を何度か目にしました。

僕自身のTOEIC対策経験と、生徒さんにTOEIC指導をした経験の両方から見て、TOEICのリーディングには、問題演習が欠かせません。
600点を目指そうが、900点を目指そうが、それぞれの目標に応じた問題数をこなす必要があると思っています。

そして、ただ解くだけで終わるのではなく、自分が知らなかったところ、力が及ばなかったところに目を向け、そこから成長の糸口を見つけ出し、実力へと変えていく行程を経て、ようやくスコアアップが達成できるのです。

模試の質で言うと、日本の『公式問題集』がもっとも本番に近いです。
それでもこの『YBM』を使う利点としては、リーディングに特化したトレーニングが積めるという点にあると思います。
『公式問題集』には、リスニング2セット、リーディング2セット収録されていて、価格は3000円ちょっとです。「リスニングよりもリーディングが課題だ」と感じている人にとっては、問題数が少なくて、痒いところに手が届かないといった感もあります。

はっきりと「リーディングを伸ばしたい」とわかっているのであれば、やはりリーディングに特化したテキストを使うほうが、効率的にも、コスト的にもお得です。
僕自身は、リーディングは定期的に初見の問題を解かないと課題に気づけないし、成長も感じられないと考えているため、たくさんの問題を収録した模試テキストが欠かせません。

おそらく、僕と同じように考えていらっしゃる方もいることでしょう。
また、細かいことはともかく、とにかくリーディングの問題をもっと解いてみたいと純粋に思っている方もいるでしょしょう。

リーディングを伸ばしたいと考えている学習者にとって、『YBM模試』は大きな助けとなります。
僕もこの模試があったからこそ、リーディングのトレーニングを積むことができて、TOEIC990点を何回も取ることができました。

こんなに良いテキストもなかなかありませんので、この記事でしっかり紹介しようと思います。
みなさんのTOEIC対策の参考になれば幸いです。

YBM模試のレベルなど

模試全体を通して、やや難しめのレベル設定です

後半に進むにつれて、難易度が上がっていくようです。
この模試を何度か解きなおす中で、僕はそう思いました。

最初のテスト1~4くらいは、「意外と易しめなんだ」と感じました。
でも、そのあと中盤のテスト5~8あたりで「ちょっと難しいのがあるな」と思うようになり、最後のテスト9~10は「けっこう難しい」となりました。

あくまで僕自身の感想かと思っていたのですが、多くの生徒さんも同じように感じたようです。
TOEIC対策として、この『YBM模試』を多くの生徒さんにも使ってもらいましたが、「最後のほうが難しかった」という感想は、かなり共通していました。
「テスト10は、いつもより正解数が10個くらい下がった」という生徒さんも何名かいらっしゃったので、模試ごとに難易度の違いがあるのは確かでしょう。

このテキストには、一定の難易度があります。
TOEIC700点以上が目標の方にオススメです

600点までは、『公式問題集』をしっかり使い込むことで十分に達成できると思います。
そもそも、TOEIC対策の基本は、『公式問題集』です。
『公式問題集』では足りないところを補うために、様々なテキストが開発されているため、むやみにテキストを増やしていくのは良くありません。

この『YBM模試』は、『公式問題集』では補いきれない部分である「問題演習量」を補填するために使うのがいいです。
そうしたフェーズにあるのが、TOEIC700点以上が目標の方たちだと考えています。

YBM模試はどう使う?

基本は、「解きまくる」

このボリュームのすごい『YBM模試』は、まさにTOEICを解きまくりたい人のために作られたようなものです。

なによりも模試が10回分も入っているのが、その証左でしょう。
日本で発売されている日本製のTOEIC模試は、3回分とか5回分が普通です。
なかなかそれ以上のものはありません。
ましてや、「模試10回分」なんてボリュームは、異例中の異例です。

『YBM模試』は、700点以上を目指す人に適しています。
600点を超えているということは、それなりに基礎ができているわけで、そこから更なるスコアアップを目指す上で必要になるのが「問題演習量」なのです。

問題をたくさん解くことで見えてくる自分の弱点、悪癖があります。
早とちりをしてしまうとか、難しい問題に固執してしまうとか、根拠のないまま答えを選んでしまうとか、人によって様々です。
そのような改善点を潰していくだけでも、スコアは上がっていきます。

また、問題をたくさん解いていると、いつしか「TOEICの癖」のようなものに気づける瞬間が訪れます。
所詮、TOEICは人が作ったテストですから、傾向やパターンがどうしても出てきます。
そこに気づくこともTOEIC対策の1つだと割り切ることができれば、問題をたくさん解くことは大きな意味を持つようになります。

ただし、そこには1つ大事な前提があります。
それは「模試の質が、本物のTOEICに近いこと」です。

市販のTOEIC模試には、残念ならが本物のTOEICとは別種のテストに仕上がっているものが少なからずあります。
そんな「TOEICの形をした異質なもの」をどれだけ解いても、TOEIC対策にはなりません。

その点、この『YBM模試』は、本番のTOEICを限りなく正確に再現しています。
ここは「さすが韓国」といったところでしょう。安心して使える高品質問題集です。

いろいろな解き方を試す

これも模試が10回分あるからこそ、できることです。
実際の生徒さんの例を出しながら、説明していきます。

大体の人は、TOEICのリーディングを、Part5→6→7の順番で解いていきます。
そして大体の場合において、Part7で時間が足りずにテストが終了します。

僕が担当した生徒さんでも、こういう方がほとんどでした。
「ほぼ全員」といっても過言ではありません。
そして口にする悩みは、決まってこういう感じです。
「リーディングの時間が足りないんです」

これまでのTOEIC指導経験から言うと、TOEIC800点(リーディング350~420点)までなら、時間内にすべて解き終わる必要はありません。

リーディングで10~15問残ってしまったとしても、800点を達成された方はたくさんいらっしゃいました。
700点が目標なら、だいたい15~20問残しが平均ですが、最大で25問くらい残しても可能性はあります。

したがって、時間内に解き終わることは、決して必須条件ではありません。
大事なのは、正解できるところで正解数を伸ばしていこうとする意識です。

800点を目指していたある生徒さんも、リーディングが時間内に終わらずに悩んでいました。
僕は、時間内に終わらせる必要がないことをお話ししたうえで、解き方を一緒に考えていくことにしました。

その生徒さんが解いてきた模試の結果、公開テストを受験したときの感想、そして問題をその場で解いてもらうことで、僕はその生徒さんの特徴を見出しました。こんな感じでした。

「Part7の正解率がもっとも良く、Part6がもっとも悪い。とくにPart7は、複数パッセージでも、けっこう高い正答率が出せる。Part5は問題によるが、難しい語彙問題で立ち止まってしまう傾向がある」

その生徒さんも、ご自身のことを分析してお話ししてくれました。
「Part5は、まだ時間があるから大丈夫だろうと思って考え込んでしまうことが多いですね。Part6はいつも手ごたえが微妙なまま解いているので、モヤモヤしています。Part7は解けるものは解けるし、分からない問題でも、いちおうは読んで、ほぼ勘で解いています。複数パッセージをけっこう残してしまうので、そこが解ければって感じですかねえ」

生徒さんの分析と、僕自身の分析を組み合わせて、いくつか提案をしました。

  • Part7から解く
  • 記事問題を基本的に飛ばす
  • それ以外でも、内容がつかめない問題は捨てる
  • 捨てながらも、どんどん先に進んで、最後のトリプルパッセージまで目を通す
  • Part7には50~55分という時間制限を設ける
  • Part5,6を残った時間で解く
  • Part5,6は余裕がないので、わからないものは捨てる

具体的には、こんな感じです。
さっそく『YBM模試』を使って、いろいろな解き方を試していきました。

そして模試を4,5個くらい解いたところで、その生徒さんはご自身で結論を出しました。

「まずはPart5を12分と決めて解きます。その次にPart7に進みます。記事問題と難しいと思ったものは飛ばして、どんどん解き進みます。そして最後に8分くらいでPart6を解くことにします。どうせ8分かけようが15分かけようが、Part6は正解数がそこまで変わらないと分かりましたので」

その後、その生徒さんは見事にTOEIC800点を達成しました。
リーディングのスコアは50点くらい上がりました。
(TOEICリーディングは、300点を超えてからのスコアアップが大変です)

このように、いろいろな解き方を試しながら自分に合った方法を見つけるうえでも、『YBM模試』は非常に使えます。

僕自身も、『YBM模試』を解くことによって、自分の解き方を見つけました。
僕の場合だと、まずPart7の複数パッセージから解きます。
そのあとPart7のシングルパッセージを解き、Part5,6を解きます。
「重たい問題を先に片づけたい」というのが最大の理由です。

模試を何度も解いていく中で、だんだんと読む量が増えていくことに精神的な負担を感じるようになり、それなら最初にPart7をやってしまおう、ということになりました。

みなさんも、Part5→6→7で解くことだけが正解ではありませんので、ご自身にとってストレスのない解き方を見つけてみてください。

まとめ

オススメ度 |★★★★★(満点)

『YBM模試』は、質・量ともに最高とも言える模試です。

韓国発祥とはいえ、きちんと日本語に翻訳されていますし、Part7は解答の根拠もわかりやすく表示してくれています。

公式問題集をしっかり使い込んで基礎ができあがったら、『YBM模試』を使って、実戦経験を積んでいきましょう。

使い方次第で、リーディングの実力をグンと上げてくれるハイクオリティ問題集です。
模試が10セットも入って3,740円(定価・税込)ですので、コスパも最高です。

ただ、解いて終わりではなく、復習を通して新しい知識を得ることもお忘れなく。

以上、『TOEIC L&Rテスト YBM超実践模試 リーディング1000問』のレビュー記事でした。

テキストを使うべきかどうか、どのようなスケジュールで使っていけばよいか、といったお悩みがありましたら、相談に乗りますので、無料カウンセリングフォームからご連絡ください。

それでは、ご覧いただき、ありがとうございました。