数値化できる速読トレーニング本

ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。

今回、紹介するのは『TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』です。

この本はもともと生徒さんが使っており、「役に立った」との感想をお聞きしたため、自分でも購入して使ってみたという経緯があります。

結論から言うと、素晴らしい速読トレーニング本です。wpm(1分間で単語をいくつ読めるか)を測定して数値化できるので、速読のレベルを視覚的に把握することができます。

しかも、最低でも3回は繰り返すような設計になっているため、回を重ねるごとに自分の読むスピードがどう変化したかを確認することも可能です。

速読は、頑張って速く読もうとしても体得できません。むしろ時間をかけて同じ文を何度も精読することで自然と速くなってくるのです。

精読をたくさんしていて気づいたら読むのが速くなっていた、というのが多くの人がたどる行程です。

それを念頭に置いたテキスト設計となっている点、やはり信頼できる「特急シリーズ」だと感服します。内容もコンパクトなので、通勤時間でもちゃんと取り組めます。

今回は、そんな『TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』を、僕個人の目線から紹介していきますので、テキスト選びの参考としていただければ幸いです。

それではスタートです。

対象レベルは?

TOEIC500点以上をお持ちの方にピッタリ

リスニングのスコアにもよりますが、リーディングで30~40問くらい塗り絵(時間内に解き終わらず、マークシートを塗るだけになってしまう問題)があっても、TOEIC500点は達成できるケースがほとんどです。

つまり、TOEIC500点までなら、スピードよりも解ける問題を見逃さないことのほうが大事になるわけです。文法問題での正当率を上げたり、解く問題を選んだりすることによって、TOEIC500点は達成できます。

しかし、それ以上の600点や700点となってくると、スピードを意識することが必要になります。「あと10問だけ解く時間があれば700点に届いただろうに」というような悔しい結果になってしまう方はけっこう多いのです。

そして、そのような方のほとんどは、「時間が無制限にあれば、かなり高い正答率が出せる」という特徴もあります。

この『TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』は、まさにそうした学習者の方々にとってベストな速読トレーニング本です。

このテキストから学べるのは、「なぜ何回も読み返して時間がかかってしまうのか?」という問いへの気づきです。

当たり前のことですが、英文は様々なパーツが集合することで完成します。

単語と単語がつながって文ができます。そして文と文がつながって段落ができます。さらに段落と段落がつながって文章ができます。

途中で分からなくなって読み返すときは、そのどこかでつながりを見失っていることが多いです。

それが知らない単語によるものなのか、文から文への移行でつまずいたのか、あるいは段落が変わったことで何かが途絶えてしまったのか、原因はいろいろありますが、そこを突き止めていかないと、読解の精度およびスピードは上がっていきません。

読み返すことは悪いことではありません。でも、残念ながら5回も6回も読み返すほどの余裕はTOEICにはないのです。多くても2,3回の読み直しに収めていく努力をしていかなければ、スピードに改善は見られないでしょう。

このテキストの英文レベルはそこまで高くありません。何回か読み返して時間をかければ内容が掴めるくらいの難易度です。それがまさに「ちょうどいい」レベルなのですね。

何回か繰り返していくうちに、自然と文全体の流れが把握できるようになってきます。その読み方ができるようになってくれば、読解は驚くほどスムーズに、そしてスピーディになります。

極端な例えをすれば、それまで虫眼鏡で1単語ずつ見ていたのが、1枚の絵をすこし離れたところから鑑賞するように読めるようになるのです。必要があれば絵に近づいて細かいところを見ることだってできるので、読解の自由度はとても高いです。

TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』は、そのようにして速読力を上げてくれます。スピードをもうすこし上げたいと思っている方には、ぜひ使ってほしいテキストです。

内容はどうなっているの?

小分けになっていて気軽に使えます

TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』は、パート7形式の問題集です。特徴をまとめると、以下のようになります。

  • 文書は全部で30個
  • 各文書のワード数は、120~160語
  • 各文書には、3つの問題がついている
  • 問題はすべて内容理解で、語彙問題はない
  • NOT問題が多めで、細部まで把握できているかが測れる
  • ワードリストがあるので便利

「文書を読む+問題を解く」で1セットになっており、それが30セット分あります。1セットの制限時間は3分となっているため、解くだけなら細切れ時間でちゃんとできます。

これが最大の魅力でしょう。忙しいビジネスパーソンにとっては、通勤時間は貴重な学習時間になります。そこで手軽にトレーニングできることは、今やテキストの必須条件です。

また、wpm(1分間で単語をいくつ読めるか)を測れる一覧表がついているため、時間を測って読めば、自分の読解スピードを計測することができます。

ちなみに、TOEICのリーディングで文書をすべて読んだうえで全問を解き終えるには、最低でも150wpm(1分間に150語読める)のスピードが必要だそうです。

ぜひ自分の読解スピードを測りながら進めていってください。

書き込み式のグラフがついていますから、各文書ごとにwpmを測定すれば、平均値も出せます。そして2回目、3回目を読んだ際のwpmもグラフにすることで、スピードの伸びを視覚的に確認できます。

こうすれば、スピーディに読めているときの感覚が知ることができるのです。

TOEICを解ききるのに必要な150wpmを達成できるまで、繰り返し解きましょう。

どう使うべき?

ストップウォッチを用意しましょう

速読トレーニングのテキストなので、時間の計測をしてください。

ステップは以下のとおりです。

1.文書を読む(時間を測ってwpmを出しましょう)

2.問題を解く(1とは別に、新しく測定しましょう)

3.1と2の合計タイムが3分以内ならOK

各文書では、読むタイムと解くタイムを足して3分を切ることが目標になっています。

あとは答え合わせをしながら理解が弱かったポイントを発見し、その原因を突き止めましょう。1,2回読んで理解できなかった箇所があれば、そこも要チェックです。

内容把握が遅くなった原因を、とにかく潰していってください。

そして、そこで得た反省点を、次の文書を読むときに意識してみましょう。これを30個の文書すべてでやっていき、全体を2~3周くりかえせば、読解のポイントが分かってきます。

また、文書を読んでwpmを測定したあと、すぐに問題を解かず、声に出すなどして要約してみることも効果的です。

読めている人は、要約ができます。「これは~を伝えるための文書。~に向けて書かれている。細かい点としては、~ということが書いてあった」というように、読んだ後に残っている情報をまとめてみましょう。

そのあとに問題を解くことで、TOEICの問題が突いてくるツボがだんだんと分かってきます。そうなると、問題を読みながら「ここは問題になりそう」と見当をつけることができますので、効率的なリーディングにつながります。

TOEICが問題にするところは、実際にその文書において重要なところなので、現実世界で英文メールなどを読むときにも、要所が掴めて役立ちます。

wpmの測定 → 要約 → 問題を解く、の流れがオススメ

このテキストは、本文を読んでから問題を解くという流れになっています。普段、設問を見てから本文を読んでいる人は注意してください。このテキストを使用するときは、意図されたとおりに解いていきましょう。

スピードアップを狙うならコレ!

オススメ度|★★★★★(満点!)

数値化しながらスピードアップを狙えるテキストは珍しく、TOEIC専用となれば尚更です。

しかも文書がリアルなTOEICに近いので、質も非常に高いです。

普段から「時間が足りないな」と感じている方は、ぜひ『TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』を使ってみてください。

客観的なデータを根拠にしながら、読解のスピード感を体得していけます。

また、付録としてダウンロードできる音声ファイルは、読み上げの速度がほぼ150wpmに設定されているので、それを使ったトレーニングもできます。

これで値段が800円ちょっとですから、驚きのコスパですね。使うと決めたら、何回もくりかえして読解スピードを向上させていってください。

それでは以上、『TOEIC L&R TEST 読解 特急2 スピード強化編』のレビュー記事でした。最後までご覧いただき、ありがとうございます。

みなさんのテキスト選びの参考となれば嬉しいです。