TOEIC公式問題集レビュー記事 Vol.3
ご覧いただき、ありがとうございます。TOEIC対策のリノキア英語スクールです。
今回の記事では、2019~2020年に発売された、新しいTOEIC公式問題集2冊についてレビューします。
前回の記事は、こちらを参照ください。
前回の繰り返しになりますが、問題集が新しくなるにつれて、ナレーターにも変化が見られます。
今回の2冊だと、新しいイギリス人女性が加わっています。
このイギリス人女性が公開テストに登場したときは、「聞き取りにくい」や「この人のところだけ分からない」といった感想を漏らす方が多く見られました。
僕自身もそう感じましたし、僕の生徒さんでも同じことをおっしゃる方がいました。
例のイギリス人女性は、『公式TOEIC Listening&Reading問題集5』のテスト2から登場していますので、よく聞き込んで、慣れておきたいところですね。
もう1点、特徴的なのは、リーディング・セクションにも音声ダウンロードがついたことです。
この機能がどこまで有益なのか、今のところレッスン内では実感できていません。
しかしながら、Part5,6の語彙問題での難しいものだと、コロケーションや語法が重要になることが多いので、そういった知識を音から取り込む際に使えるとは思います。
残念なのは、リスニング・セクションとは違うナレーターが読んでいることです。
同じだったら、さらに慣れることができて良かったんですけれどね。
何はともあれ、公開テストには新しい公式問題集で対策するのが一番ですので、2020年以降の受験には使っておきたい2冊です。
公式TOEIC Listening&Reading問題集5(2019年6月発売)
今作からリーディングの音声もダウンロード可能に!
それに応じて値段も200円アップ。固有名詞の読み方チェックには使えるかも。
リスニング
テスト1は標準レベルです。
2019年7月以降の公開テストでは、似た問題が出題されているのを何度か見ました。
やはり新しい公式問題集を使い込むことは、公開テストに有効だと思います。
No.2, 3, 6は、今までと変わらない定番問題です。
No.1, 4, 5は、この問題集に特徴的な問題です。
特徴的な問題のほうが最新のトレンドを反映していると思いますので、しっかり定着させておきましょう。
テスト2も標準レベルです。
こちらもテスト1同様、公開テストで似たものが出題されていました。
No.1, 2, 5は、今までも出題されてきた定番問題です。
No. 3, 4, 6は、この問題集に特徴的な問題です。
テスト1と重複して登場している語句があるので、それは要チェックです。
また、テスト2には新しいイギリス人女性のナレーターが収録されています。
多くの受験者が「聞きにくい」と評した、やっかいなナレーターです。
この問題集を使って、慣れておきましょう。
テスト2は易しめです。
はっきりと「簡単」までは言えませんが、解きやすい問題が多いです。
出てくる単語や固有名詞には、馴染みのないものがあるかもしれません。
ただ、消去法が使える問題も多かったので、正解率は高めになるのではないでしょうか。
前作の『公式TOEIC Listening&Reading問題集4』のテスト2に登場していた高速オーストラリア人男性は、今作のテスト1には入っていません。
スピードは、どのナレーターも標準的なので、このくらいの速さなら聞き取れてほしいです。
何回聞いてもわからない箇所があるとしたら、そこが改善すべきポイントです。
スクリプトを読みながら、自分の発音とネイティブの発音のどこが違うのかをチェックし、マネができるようになると聞こえるようにもなってきます。
客観的な視点があると楽なので、人に見てもらうほうがいいかもしれません。
単語も重要ですので、固有名詞も含めて、発音までできるようにするのが良いです。
テスト2は標準レベルです。
テスト1よりは難しいと思います。
特徴的なのは、簡単な問題と、難しい問題との差が大きいということです。
難しい問題は、消去法が使えない(あるいは使いにくい)ように設計されています。
内容がわかったり、イメージが浮かんだりしていないと解けません。
最終的には、そうした問題も解けるようになることがゴールですので、聞き取れなかった場合は、原因をしっかりと探りましょう。
時間をかけて復習する価値のあるハイクオリティな問題セットです。
新しいイギリス女性のナレーターの声もあるので、テスト1以上にやり込めると良いです。
テスト1は簡単です。
難しい問題は、まったくと言っていいほどありません。
特徴としては、キーワードを拾って解く問題が多いです。
したがって、要所ごとで重要単語が聞き取れれば、その単語が入っている選択肢を選ぶだけで正解できてしまいます。
内容理解は、あまり重視されていません。
3人スピーカー問題は2つです。
いずれも解きやすいです。
セリフの意図問題は2問で、両方とも基礎的です。
グラフィックは3問で、解きやすく設定されています。
僕の生徒さんもそうでしたが、このテスト1のPart3は、正解数が高めに出ます。
600点レベルの方で、8割くらいの正答率です。
700点以上が目標なら9割くらいの正解数が欲しいところです。
テスト2は、やや易しめです。
テスト1よりは内容理解が重視されています。
キーワードを拾うだけでは解けない問題がありますので、練習になるでしょう。
テスト2から登場しているイギリス女性は、スピードがけっこう速いので、そこも慣れておきたいところです。
3人スピーカー問題は2つです。
テスト1,2ともに3人スピーカー問題が2つ出るのは、『公式TOEIC Listening&Reading問題集2』以来です。
2019年以降の公開テストでは2つ出ることがほとんどなので、トレンドなのでしょうね。
セリフの意図問題は2つです。
いずれも難しめに設定されており、内容理解が問われます。
グラフィック問題は3つで、1つだけ難しめでした。
この問題集は、Part3が簡単めになっています。
正解数よりも、新しいナレーターに慣れておくという点で利用できると良いのではないかと思います。
テスト1は、やや易しめです。
難しくてまったく分からないという問題は無さそうです。
問題としては、キーワード重視と内容理解重視のバランスが良いです。
ややキーワード重視のほうに寄っている感があるので、600点目標だと、7割(21問正解)が平均得点になってくると思います。
セリフの意図問題は3問です。
1つだけ難しめのがありますが、あとの2つは定番問題です。
グラフィックは2問です。
両方とも解きやすいので、正解したいところです。
テスト1のリスニングは、全体的に正解数が多く出やすい設計になっていると思われます。
TOEICを始めたばかりでも取り組みやすいレベルなので、「まずは600点を!」という方にはオススメできます。
逆に800点以上を目指す実力者にとっては、学ぶことの少ない問題セットかもしれません。
多くを得たいのであれば、別の問題を使うほうがいいかもしれません。
テスト2は難しめです。
テスト1とは解きやすさが全然違っています。
内容理解のほうに重点があるため、キーワードだけを聞き取っても、正解数はそこまで伸びません。
セリフの意図問題は3問で、いずれもレベル高めです。
迷ったとしても、あまり時間を使いすぎないようにしたいところです。
グラフィックは2問です。
片方は易しめ、もう片方は難しめです。
グラフィック問題は、ほかの問題も難しいので、良い練習になります。
テスト1とテスト2で、正解数が大きく違うという場合があるかもしれません。
それは難易度によるものなので、とくに心配しなくても大丈夫です。
大事なのは、聞き取れなかったところを聞き取れるように変えていくことです。
テスト2のほうが復習には時間がかかると思いますので、次のテストが迫っている場合は、テスト2から始めていき、テスト1は直前の練習用に残しておくといいでしょう。
リーディング
テスト1は、やや難しめです。
語彙問題で難しいのが多かったという印象です。
品詞問題ですら、品詞の知識よりも語彙の知識のほうが必要という問題がいくつかあったくらいです。
TOEICというテストにおける語彙レベルを上げていくという示唆なのでしょうか。
また、これは前作の問題集でもそうでしたら、単純に意味だけを覚えていても解けないものがあります。
言い換えると、語法(どんな前置詞とセットになるか)とか、コロケーション(どんな単語とセットで使われるか)とかを知っている必要があるということです。
「テストのための英語」と揶揄されることの多いTOEICですが、普段から使い方を学んでおくほうがテストの正解数も増えますし、何よりも現実のシチュエーションで英語が出てくるようになります。
これは、「英語が使えるようになることをゴールに勉強してくださいね」というTOEICからのメッセージですね。
テスト1の1問あたりの平均語数は15.2語でした
テスト2は標準レベルです。
品詞問題は素直なものが多いです。
語彙問題も、単語やイディオムの意味を知っていれば解けるものがほとんどです。
テスト1とは違った性格の問題セットです。
テスト2に特徴的なのは、前置詞にフォーカスが当たっていることです。
前置詞に関する重要事項が、そのまま問題になっているので、ぜひ解いておきたいところです。
接続詞のほうでも定番問題がほとんどです。
こちらも正解したい問題ばかりですので、要チェックです。
動詞問題は、「能動・受動」に焦点が当たっています。
動詞の意味そのものがわかっていないと解けないので、語彙力が勝負です。
こうして振り返ると、テスト2は無駄のない問題セットに仕上がっています。
これぞTOEICといったところですね。
テスト2の1問あたりの平均語数は14.5語でした
テスト1は標準~やや易しめです。
前作のPart6に比べたら、内容はわかりやすいと思います。
600点以上が目標ならば、10問以上は正解すべき問題セットだと思います。
特徴的なのは語彙問題です。
空所の近くだけ読んでも選ぶことができません。
早とちりせずに、もっと後ろまで読み進めてから判断しましょう。
それから接続詞の問題が難しめでしたが、重要事項なので、ここで理解しておきたいところです。
テスト2は、やや難しめです。
内容理解が重視されており、イメージの伴った読解が必要になります。
動詞問題は定番どころなので、しっかり正解したいです。
文法問題も重要なところを突いています。
No.139, 140は必ず理解しておきたい問題ですね。
文挿入問題は、全体的に難しいと思いますが、良問でもあります。
ダミーの選択肢も惑わせてくるため、文書の流れをつかめているかが問われます。
読めているか読めていないかの判断に適した問題ですので、テスト2を使って試してみましょう。
僕が担当した生徒さんを参考にすると、600点レベルなら9問くらい正解できると思います。
700点なら11問、800点なら14問くらいでしょうか。
参考までに言及させていただきました。
テスト1は、すこしだけ難しめです。
序盤から、時間のかかる問題が続いています。
文章も長めのが多いと感じました。
最初のほうだからといって簡単な問題ばかりではないことの良い例です。
特徴としては、地名を選ぶ問題がいくつかあることです。
このタイプは、2019年の公開テストでも何度か出題され、ネット上で答えが割れたため、よく覚えています。
この公式問題集を機に、公開テストのトレンド問題の1つとなったのでしょう。
テスト1は、シングルパッセージからレベルが高めだったので、複数パッセージで簡単になるパターンかなと思いきや、そちらも正確な読解力を要求する良問でした。
レベルに関わらず、絶対に解いておきたい問題セットです。
テスト2は標準レベルです。
テスト1よりは解きやすい問題が多いと思います。
何となくの理解度であったとしても、消去法などを使って正解にたどり着ける可能性を与えてくれている、いくぶん親切な問題設計という印象でした。
テスト2にも地名を選ぶ問題があります。
やはりトレンドなのでしょう。
いつまで続くかわかりませんが、今後も公開テストでちょこちょこ出題されそうです。
パターンや対処法は、そこまで多様ではないので、この1冊の問題集で対策できると思います。
それからテスト2では、頭字語(例:CEO)が答えの根拠になっている問題があります。
これまでのTOEICでは、例に挙げたCEOや、CV(履歴書)といったところが出ていますが、CEOくらいの知名度がないと、設問の根拠としては採用されないのだと思っていました。
テスト2では、おそらく初めて見るような方も多いであろう頭字語が、正解を選ぶうえでの根拠になっているので、しっかり覚えておきたいところです。
今後は、頭字語もトレンド化していくのでしょうかね。
テスト2も、良問ぞろいなので、レベルを問わずに解いておきたい問題セットです。
公式TOEIC Listening&Reading問題集6(2020年2月発売)
新しい公式問題集はいつも突然に……
早くも旧形式時代の公式問題集の数を追い越し、7冊目に突入。
発売日はまるでアイドルの写真集でも出たかのような盛り上がり。
リスニング
テスト1は、すこし易しめです。
『公式TOEIC Listening&Reading問題集4』のテスト2で登場した、スピードの速いオーストラリア人男性が復活しています。
彼のナレーションに慣れるチャンスです。
聞き取りにくいとか、スピードが速いと感じる問題はありません。
ダミーの選択肢も、意地悪なものはないです。
No.2の問題は、2019~2020年のトレンドとなっている問題です。
No.3の問題は、昔のTOEICでよく見た、オールディーズ問題です。
No.6の問題は、ちょくちょく出てくる「常連さん」という感じですね。
600点以上が目標ならば、全問正解したいところです。
テスト2は標準レベルです。
ナレーターはテスト1と同じ面々となっています。
英文のレベルは、テスト1よりも少し上かと思いますが、600点以上を目指すのならば、必ず聞けるようになっておきたいものでもあります。
No.1, 3は、定番の問題です。
No.2は、テスト1にも似たものが出ているので、今後のトレンドになるかもしれません。
No.4も、正解の英文に似たものが、『公式TOEIC Listening&Reading問題集5』のテスト1に出ていたので、ひょっとしたらトレンド化するかもしれないです。
公開テストに向けては、新しい公式問題集で対策しておくのが良いと思います。
テスト1は、すこし易しめです。
本当に難しい問題は、5つくらいしかありません。
それを除いては、ちゃんと理解したり、消去法を使ったりすれば、正解できる可能性のほうが高い問題ばかりだと思います。
馴染みのない固有名詞はそんなに無いです。
ただ、意味がパッと出てこない単語がいくつかあると思います。
その際にうろたえず、残りの英文も落ち着いて聞けるかが重要なポイントです。
僕が担当した生徒さんだと、600点レベルの方は7割くらい正解できる問題セットです。
700点以上が目標ならば、8割以上は確実に取りたいですね。
テスト2は難しめです。
簡単なもの・標準的なもの・難しいものが均等に含まれています。
600点レベルだと、15~16問の正解数になるのではないでしょうか。
けっこう点数の取りにくい問題セットです。
内容理解やイメージ力を重視した問題が多いと思います。
また、「Where~?」に対して、「まだ発表されていません」と応答するような変化球タイプの問題も難しめのが多いです。
直球タイプの問題もありますが、テスト1よりは少ない印象でした。
使われている単語・固有名詞も、テスト2のほうがレベルが上です。
2019年以降の公開テストは、Part2が難しいことが多かったので、このくらいのレベルで普段から慣れておいたほうが良いと思います。
正直なところ、公式問題集よりも、公開テストのほうがPart2は難しいです(もちろん問題にもよりますが)。
難しいからといって敬遠せず、学べることがたくさんあると考え、時間をかけながら取り組んでいけると、スコアアップに必ず結びつきますので、頑張っていきましょう。
テスト1はやや易しめです。
極端に難しいものはありませんが、やはりイギリス人女性とオーストラリア人男性が聞き取りにくいと感じるかもしれません。
クセがあるナレーターなので、慣れておきたいところです。
問題の傾向としては、キーワードを拾って解けるもののほうが多いです。
内容がわかっていなくても、聞こえた単語を根拠に選べば、正解できてしまいます。
パラフレーズ問題もいくつかありますので、高得点を狙う人ほど、そうした問題での正解数で勝負がついてきそうです。
3人スピーカー問題は2つです。
ナレーターがやっかいですが、問題は素直なので、全問正解したいところです。
セリフの意図問題は2つで、いずれも標準~やや難しめという難易度です。
グラフィックは3問で、どれも解きやすいので、正解しておきたいです。
600点が目標ならば、30/39正解が目安になると思います。
700点以上なら、33問以上は正解したいところです。
いずれも、僕が担当した生徒さんの結果を参考にしています。
テスト2は標準レベルです。
テスト1よりは難しいと思います。
内容理解を重視していたり、パラフレーズに気づけるかを試すような問題構成だったりするので、小手先のリスニング力では対応できないところがあります。
3人スピーカーの問題は2つです。
前作の『公式TOEIC Listening&Reading問題集5』に引き続いて、テスト1,2ともに3人スピーカー問題が2つのテキストとなります。
セリフの意図問題は2つで、両方とも定番問題です。
TOEICのパターンがつかめるので、ぜひ解いておきたいところです。
グラフィックは3問で、いずれも簡単ではありません。
注意して聞いていないと過ぎ去ってしまいます。
600点が目標ならば、28/39正解が目安となりそうです。
キーワードが聞き取れれば正解できる問題でしっかりと得点し、あとは内容理解重視の問題での正解数を上げていきましょう。
スピードの速いオーストラリア人男性やイギリス人女性に慣れるうえでも、この問題集を使い込むことは有益だと思います。
テスト1は標準レベルです。
ここでもオーストラリア人男性のナレーターがやっかいです。
幸い、問題がそこまで難しくないので、キーワードが拾えれば解けるものが多いです。
セリフの意図問題は3つです。
レベルは標準~難しめで、定番のものがほとんどです。
TOEICを解きなれていると、そこまで迷わないかと思います。
グラフィックは2つです。
いずれも難しめでした。
先読みをしておかないと、正解のポイントを聞き逃してしまいます。
600点が目標ならば、22問以上は正解したいところです。
難しい問題もあるので、うまく捨てたりしながら、先読みをする時間をちゃんと確保して解けるといいです。
いったん崩れると、そのままズルズルいってしまうので、それだけは避けたいです。
テスト2は、すこし難しめです。
Part3と似ていて、内容理解やパラフレーズが重要な問題が多めだと感じました。
キーワードを聞き取れば解ける問題もあるので、まずはそこで得点を伸ばしたいところです。
セリフの意図問題は3つで、定番のものが多いですが、レベルは高めです。
答えを選ぶのに時間がかかるでしょう。
焦らずに、解くなら解く、捨てるなら捨てる、をきっぱりと判断しましょう。
グラフィックは2つで、こちらも簡単な問題ではありません。
先読みでグラフィックの詳細をつかんでおけば解きやすくはなります。
600点が目標ならば、20問は正解したいです。
難しいトークのあとに簡単なトークが続いたりもするので、難問をうまく避けて、最後まで先読みのペースを崩さないことが重要です。
リーディング
テスト1は易しめです。
600点が目標であっても、6割は正解したい問題レベルです。
700点以上が目標なら、7割を切ってはいけない難易度です。
品詞問題はとても素直なものが多かったです。
語彙問題とのハイブリッドはほぼ出ていません。
品詞でしっかり得点できると、全体のスコアも良くなります。
前置詞・接続詞問題は、1つだけ難しいのがありますが、それ以外は定番問題です。
語彙問題も、ひどく難しいものはありません。
文脈を捉えることができれば、意外にもあっさりと選べてしまいます。
テスト1の1問あたりの平均語数は15.3語でした
テスト2は、やや難しめです。
前半と後半で、難易度がガラッと変わる、わかりやすい問題セットです。
前半はTOEICに定番の問題しか入っていないため、スイスイ解けると思います。
後半の難しさを考えると、ここでしっかり正解数を稼いでおきたいところです。
そして後半ですが、文脈や文構造の理解を試す問題が増えていきます。
要するに、読めているかどうかの試金石となるような問題なのです。
もちろん語彙や文法の知識も大事ですが、それらを知っているうえで読めるかどうかがポイントになります。
単語も文法も知っていることばかりなのに読めない、解けない、という場合もありますので、文意が理解できているかを最終的な確認ポイントにしましょう。
テスト2の1問あたりの平均語数は15語でした
テスト1は、やや難しめです。
文書の内容がわかりさえすれば解きやすいので、イメージできるかどうかがポイントになります。
そういう意味では、内容理解に重点を置いた問題設計です。
語彙問題が難しいという印象です。
品詞問題ですら、語彙の知識がキーポイントになっているので、そういう問題構成なのでしょう。
テスト1のPart5とは、性格がガラッと変わっていますね。
600点目標だと、正解数が8問(50%)になってしまっても仕方ないかと思います。
本番でこういう難しさの問題に当たったら、時間をかけすぎないことが大事になります。
自分が難しいと感じるときの肌感覚をしっかり覚えておきましょう。
テスト2は、やや易しめです。
文書の内容が分かりやすい問題がほとんどです。
選択肢も、わりと素直に構成されているので、選びやすいと思います。
少なくとも、テスト1よりは高い正解数が出ることでしょう。
文法問題では、定番が出題されているので、しっかりチェックしておきたいです。
語彙問題や文挿入問題も、流れがわかれば、時間をそこまでかけずに選べると思います。
600点が目標ならば、12問以上は正解したいところです。
こういうレベル問題は、ほかの受験者の正解率も高くなるので、できれば正解しておきたいです。
ここで凡ミスなどをしてしまうと、他との差が大きくついてしまうので、慎重さも保てると良いですね。
テスト1は、やや難しめです。
序盤には解きやすい問題が多く、進むにつれて難易度の高いものが出てきます。
難しいものは、それなりにハイレベルなので、適切な対処が必要です。
全体的に、情報量の多い問題が目立った気がします。
読みながら整理していかないと、何度も読み直すはめになってしまいます。
シングルパッセージは、語彙レベルがちょっとだけ高めと感じました。
それから記事問題が難しめだと思います。
複数パッセージは、文書間のつながりは分かりやすいものの、各文書内での内容がややこしかったりして、苦戦するものがあると思います。
2020年2月に発売した問題なので、2020年の公開テストには、この『公式TOEIC Listening&Reading問題集6』から似たようなものが出題されるのではないかと予想しています。
現在(2020年4月)のところ、公開テストが実施されていないため、まだ確認できずにいます。
ともあれ、次の公開テストに向けては、やはり最近の公式問題集で学習していくのがベストだと思います。
すこし難しめの問題ですが、徹底的に復習して、公開テストに備えたいところです。
テスト2は、やや易しめです。
複数パッセージがどれも解きやすいのが印象的です。
公開テストでも、よくあるパターンなので、シングルパッセージで時間切れになってしまうと、非常にもったいない結果になる問題セットです。
テスト1と同様に、情報量の多い問題は、難易度が高くなる感じです。
テスト2では、難しいのはシングルパッセージに集中していました。
設問も、細かい整理ができているかを問うものがあるので、解くのに時間がかかります。
ここで覚えておきたいのは、「後半にも簡単に正解できる問題が残っている」ということです。
目の前にある1問に集中することは大事ですが、固執しすぎるのは悪手です。
難所をうまく対処しながら、なるべく多くの問題を解くようにしましょう。
実際の生徒さんでも、いつもNo.180まで解いたところで時間切れになってしまい、なかなか700点に到達できなかった方が、難しいと思った問題を飛ばしながらNo.200まで解ききるようにしたら、760点まで伸びたというケースがありました。
(もちろん伸びたのはリーディング・セクションのほうです)
しかしながら、解き方は変えようと思ってすぐに変えられるものではありません。
模試を使って練習しながら、自分のペースを作っていくことが必要です。
そして模試を解いたら、「わからないことがない」レベルまで復習しましょう。
これを繰り返していけば、リーディングのスコアは伸ばせます。
まとめ
残念ながら、コロナウイルスの影響で、2020年は公開テストの中止が続いています。
この記事を書いた時点では、6月の公開テストの中止が発表されました。
次回は9月ということになります。
すこし空いてしまいますが、開催されることを願っています。
『公式TOEIC Listening&Reading問題集4』からは、問題集の発売の間隔が8ヵ月となっています。
このままいけば、2020年10月に新しい公式問題集が出ることが予想されますが、果たしてどうなることやら。
ともあれ、今回紹介した2冊は、優先的に使っておきたい2冊です。
英語のレベルに関係なく、最新の傾向・トレンドがつかめるという点で、やっておきたいです。
『公式TOEIC Listening&Reading問題集5』と『公式TOEIC Listening&Reading問題集6』の2冊を使い切ったら、ご自分のレベルや意向に合わせて、公式問題集を選んでいってください。
以上、TOEIC公式問題集レビュー記事 Vol.3でした。
ほかのレビュー記事も、よろしくお願いします。